PSD-A シロップ分離機

POM製 シロップ分離機部品

本製品は、シロップ用の液体供給装置に用いられる樹脂製の分離機部品です。素材には耐薬品性と寸法安定性に優れるPOM(ポリアセタール)を採用し、NC旋盤とボール盤加工によって複雑な形状を高精度に実現しています。内部流路の設計や形状には、液体の流れをスムーズかつ確実に制御するための工夫が盛り込まれています。


1. オフセット加工による非対称構造

本部品には、中心軸からずれた位置に貫通穴が開けられています。これは液体の流れの偏向や制御を目的としたもので、標準的な回転加工では実現できない構造です。芯ずれ加工には、専用の治具と手動調整による高精度な制御が必要です。


2. テーパー形状の深穴加工

一方の出口にはテーパー(先細り)形状の穴が設けられています。このテーパー穴は、液体の噴出や流速制御に役立つ構造であり、内部が狭くなるほど加工難度が上がります。NC旋盤での精密な制御と後工程での手作業によって、滑らかな内部形状が形成されています。


3. ネジ構造と継手対応

反対側にはネジ構造が施されており、他部品との着脱が可能になっています。POM素材でありながら、ネジ山の成形精度は非常に高く、繰り返しの接続・取り外しにも耐えうる構造となっています。


このように、本製品は流体制御における要求仕様を満たすために、外観からは想像できない高度な加工が施された高機能部品です。実用性と加工技術の粋が詰まった、職人技が光る逸品です。

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