真鍮製 大型台座蓋
本製品は、真鍮素材を用いてNC旋盤により加工された大型サイズのパーツです。美しい外観と高精度なねじ加工を両立させつつ、大径かつ繊細な形状をどう安定して加工するかという点で、技術的工夫が問われる製品です。


1. 大径加工特有の難しさ
サイズが大きくなるほど、加工時に発生する振動や反り、ビビリが仕上がりに影響を与えやすくなります。本製品は外径が大きい(Φ108)ため、工具の突き出し長さや切削条件の最適化に細心の注意を払う必要があります。特にテーパー状の上面は、形状を崩さず滑らかに仕上げるために、複数パスでの微調整加工が施されています。
2. 内外ねじ加工と段差制御
中央の内径部には高精度なねじ切り加工が施されており、同軸・平行度がしっかり確保されています。また、外周部の段差形状とねじ部のクリアランスも精密に制御されており、相手部品とのスムーズな組付けが可能です。
3. 咥え方(チャッキング)の工夫
このような形状の大型部品では、どこをどのように把持するか(チャッキング方法)が加工の成否を左右します。外径が湾曲しているため、通常の三つ爪チャックでは滑りやすく、専用の治具や内径からの保持・逆チャックなど、複数回の工程分割と再芯出しが必要となります。ここに職人の工夫とノウハウが活かされています。